マットに倒れてマットの冷たさを背中に感じるのに唇には温もりを感じた。
その温もりが奴の唇であることに気付くのに時間はかからなかった。
「ん、…ちょっ…と……んっ」
奴の体をどかそうと胸を押すけど、その手を絡みとられてマットに縫いつけられてしまった。
私と奴の手の間で紙がクシャッと音をたてて潰れるのが分かった。
唇をなぞられて、何度も唇を噛むような甘いキスに抵抗する力を抜き取られていく。
長かったキスもいやらしい音をたてて終わりを告げた。
倉庫の中では私達の乱れた息づかいだけが響いてる。
起き上がろうとしても上にいる奴が体重をかけていて、さらに今のキスで力がうまく出せない。
「…んで、お前は…」
「…え?」
「だから、なんでお前はそうやって気持ちを隠すんだよ!
隠されるこっちの身にもなれよ…!」
…何それ。
まるで私が悪いみたいじゃん。



