持っていた紙を背後から取られて、その紙につられるように振り返る。
「な、なんでここに…っ!?」
「ちょっと頼んで入れてもらった。
それよりも未来、これどういうこと?」
「……っ!」
後ろ手で体育倉庫の扉を閉められた。
そんなことよりこの紙を奴に見られたことの方が問題だ。
奴が私に見せる紙に書いてあるのは…
「俺の聞いてること、分かるよな?
なんでここに書いてある【好きな人もしくは気になる人】じゃなくて違うお題に変えたんだ?」
「え、いや…それは…っ」
突然のことで逃げる言い訳も思いつかない。
後ろに少しずつ下がっても奴は一歩、また一歩と近付いてくる。
あのお題が嘘だって変更したものだって気づかれてないとばかり思ってた。
…いや、ほんとは気づいてたはず。
奴のあの時の表情が何かを探るように私を見ていたから。
「…わ、……っ!?」
後ろに下がっていたらさっき確認したばかりのマットがあるのを忘れていて、マットの上に倒れた。



