「…麗奈です」
合コンなんてどうせその場かぎりなんだし、そんな人達に本名を教えるつもりもない。
彼の返事を聞く前に満杯になったジュースを持って部屋へ戻った。
「…ごめん。急用できたから帰るね」
こんな不愉快でくだらない場所から早く帰りたい。
帰ったら澪にでも電話して思いっきりからかってやろう。
「おっけー!時間もいい感じだし、このくらいでお開きにするか~」
「あとは個人個人でってことで!」
支払いは申し訳ないけど友達に任せて早く帰ろうとバッグから財布を取り出す。
「ねぇねぇ!今日はあんま話せなかったけどさ、また会おうよ今度は二人で!
麗奈ちゃんに興味あるんだよね~!
あ、アドレス交換しない?」
一瞬で鳥肌がたった。
アドレス交換したら偽名使ったのバレるし、何より巻き込まないでほしい。
恋愛というくだらない戯れ事に。



