こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー




お題の入った箱に手を入れて1つ選んで取り出す。



折られた紙を開いてお題を見た。



「……うそ…」



こんな偶然あるのだろうか。
これのお題で思いつくのはたった1人だけど、連れていきたくない。



すると後ろから2位のクラスが走ってきた。
せっかく1位になったんだからここで躊躇ってる余裕なんてない。



私はさっき手を振られた場所へ、他の人より頭一つ以上抜けた巨人の2人を目指して全速力で走った。



「未来?」


「来て!あんたが必要!」


「ふ、そんじゃいっちょやってやるか!テツ行ってくるわ!」



あの言葉を言うのにあんなに躊躇っていたのに、一度伝えて手を掴むともうあの時みたいな躊躇いはなかった。



奴も最初は驚いてたけど手を引くといつもみたいにニヤリと笑って、逆に私の手をしっかり握って走り出した。