「…え、うそ!」


何度目かになるか分からないため息を吐こうとした瞬間に澪がいきなり声を出したから、ため息を思わず飲み込んでしまった。



「…何?飴食いとパン食い競争どっちもやりたいの?」


「やりたいわけないでしょ!
って違う!テツがこっち帰ってくるって!しかも体育大会見に来てくれる!」



嬉しそうにテツさんとのメッセージのやり取りを見せてくれた。



そっか。
8月だからテツさんたち大学生は夏休みなんだ。



すごく嬉しそうに言ってるけど…



「『澪の粉まみれになった顔拝みに行くわ』って、完全に笑いに来ようとしてるよ、テツさん」


「うっ…!そ、そこはいいの!テツに会えるし」



粉まみれの顔を見せるのは嫌そうだけど、それよりもテツさんに会えることの方が勝るんだろうな。



この二人は遠距離恋愛なんてできるんだろうかと思ったけど、なんだかんだで電話したりとうまくいっている様子。