ドレスから私服に着替えた私とマスターは式場を後にする





突然の私とマスターの結婚式と言うこともあり私達は引っ越しの準備をしに私のアパートへと向かうことにした





(またマスターと肩を並べて歩けるなんて思ってもみなかった)




私の頬も自然と緩む






「まさか麻耶がバージンロードを歩いてくるとは思わなかったよ」






「私もまさかマスターが…」



歩いていたはずのマスターが立ち止まり
私の唇に人差し指をあてる




「優人……でしょ?いつまでマスターって呼ぶの?」



「ゆ…うと…」



「よくできました」





優人は笑いながら私の頭をクシャと撫でてくれた





恥ずかしくて俯き
立ち止まっている私に
優人は微笑みかけた





「ほら、麻耶行くよ」




「はい!」



私は笑顔で頷き
差し出された優人の手をとった





「あ、それから、俺に敬語使うのもダメだからな!」


「うん!」






優人と歩いていたらあっと言う間に
アパートに着いた





「じゃぁ、また明日迎えに来るから、手伝えなくてごめんな」



「大丈夫、優人も帰って準備があるでしょ」



「じゃぁ、また明日な!」




私は『statice』へと帰って行く優人を見送り
自分の部屋へと入っていった





物で溢れかえっていた狭い部屋が綺麗に片付けられていて残されているのは私の物だけだった





「私も引っ越しの準備しなきゃ」






私は本や食器・衣類を段ボールに詰め始めた






衣服を片付けている時


コローン♫


白いコートのポケットから何かが転がり落ちてきた




「あッ…」
(このブレスレット…)




そこには半年前のXmasに買ったブレスレットがあった





私はブレスレットを握り締め”約束の場所”へと歩き出した