「麻耶ッ」



目の前から勇樹が走ってきた




「どこに行ってたんだよ
家に帰ってもいないし…
またどこかに行っちゃったかと思った…」




「ごめんなさい…
深瀬さんとばったり会って
カフェで話してたの…」





勇樹は少し驚いていた



「ねぇ…どうして何も無いって話してくれなかったの…?」




「……深瀬との間に何もなくても
ホテルに行ったことは事実だし、
麻耶を傷付けたことに変わりはないから」




「……ッ」
(私はやっぱり勇樹を選ばなきゃいけない)


私は目の前に立つ勇樹を見つめる


「ねぇ、勇樹…今度の休みに静岡に行かない?おじいちゃんとおばあちゃんに会いに行ってくれないかな?」


「うん!ちゃんとご挨拶しないとね!」


勇樹は笑顔で頷きながら
私を抱きしめた