次の朝
私は勇樹の部屋へと足を運んだ



コンコン




「あのね、勇樹…話したいことがあるの」



「……………」




私たちはリビングへと場所を移して話し始めた




「昨日の朝の返事なんだけど…」

(私が勇樹と一緒になればみんなが辛い想いをしなくて済む…)




「うん…」



勇樹は真剣な目で私を見つめてくる




「よろしくお願いします」


「えッ……?や、やったぁ!ありがとう!」



勇樹にとっては
予想外の返事だったんだろう




勇樹は私を力強く抱きしめた



「私、勇樹のお嫁さんになる」
(これでいい…もぅこれ以上誰も傷つけたくない…)



「でも契約期間までは『statice』で働かせて…」



この2日間で起きた事を考えたら
私は周りの人たちを優先させるしかなかった





勇樹を会社に送り出した私は
『statice』の扉の前に立っていた




(『statice』で働くのもあと1ヶ月…
寂しいな…ううん…大丈夫。
私は勇樹と結婚するんだから…)