ガチャ


玄関の扉が開く音がした



「麻耶ッ」

リビングに来た勇樹は私を見るなり
力強く抱きしめた


「勇樹…」

私はそっと勇樹の手を解き
勇樹を見つめる




「麻耶ッ…本当にごめん」



勇樹が改めて頭を下げる



「勇樹、頭あげて…ちゃんと話そう」




「………」



ビクとも動かない勇樹を私はなだめ
イスに座る様に促した



「………」
「………」


お互い向かい合う様に座ったけど俯いたまま
しばらくの間、2人は沈黙のままだった



「あのね、勇樹…私…」

「俺、別れないから」



私はやっとの想いで口を開いたと同時に
勇樹が少し強めの口調で言い切った



「えッ」


「一年も一緒にいるんだ。言いたい事くらい分かるよ…
俺のしたことは許されない。でも俺は麻耶とは別れないから」




勇樹は私を見る




「なんで、深瀬さんと勇樹が裸姿で一緒にいたの…?」




私は言葉に詰まりそうになりながら
勇樹をみつめた



「あの日、あの朝帰りした日があっただろ…」


勇樹はゆっくりと話し始める