「優人ー!買い出し終わったわよ」
買い出しから戻って来たらしい絵里さんの声が
キッチンから聞こえてくる
「もぅすぐ店も終わるでしょ!
今日はXmasィヴだしデートしようよ!」
キッチンから出てきた絵里さんは
マスターの腕に自分の腕を絡める
「相変わらず2人は仲がいいね」
「おい、親父からかうの辞めろよ」
マスターのお父さんの言葉に
マスターが止めに入る
「懐かしな、昔母さんに渡そうとしたスターチスの花束を絵里ちゃんに渡してたじゃないか」
「違う、あれはただ返しに行っただけだ」
「私は今でも大切に持ってるわよ」
マスターは慌てながら否定するが
マスターのお父さんと絵里さんは
懐かしそうに笑顔で話している
「……ッ…」
(…マスターは絵里さんにスターチスの花をあげた…昨日話してくれた特別な花…)
「……ッ、私帰りますね…」
(もうここには居たくないなぁ)
疎外感を感じた為
私はお会計を済ませて
帰ろうとドアを開けた瞬間
「待って!」
マスターの声が
帰ろうとする私の足を止める
「送るからもぅ少し待ってて」
「大丈夫ですよ…私は1人で帰れます」
私にマスターは優しく微笑んだ
「一緒に帰ろう」
私は心の底から嬉しくて
優しく差し出された手を
そっと握り返した
