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「沙織、大丈夫?」

「・・ん、だいじょうぶ」

「ほら、これ作ってきたから」

「ありがとう」

アーンとされてちょっぴり恥ずかしいけど一口食べる。

「おいしい」

「よかった」

同じ卵おかゆなのに、優が作ってくれたのはお母さんとまた違う味。

優しくて、あたたかい。

「俺がうつしたかな」

「ううん、・・そんなこと、ないよ」

「でもほら、あのとき」

「っ!、気づいてたの?」

「もちろん。嬉しかったし」


優がいったあのときというのは、数日前優が寝込んだときのこと。

優が寝ているのをいいことにわたしは優にキスをしたんだ。

そのとき優は一瞬目をあけてぼーっとしたようにして、まずい!ばれた!と思ったんだけど、なにもいわずにまた目を閉じたから。

気づいてないと思ってたのに・・・。

恥ずかしい・・・。