「ごめん」 そういってまだ震えがとまらないわたしを抱きしめた。 「・・・先輩、どうしてですか」 「・・・」 「どうして昨日別れを告げたんですか。・・どうして、助けに来てくれたんですか」 「俺は中途半端で、最低な男だ」 「え?」 「本当は別れたくないのに、好きなのに、でもどうしてもだめなんだ」 「どうして、ですか」 「終わりがくるから」 頑なに先輩は理由をいいたがらない。 その代わりに先輩は一言こういった。