「時間大丈夫?」

「うん、まだ大丈夫」

お母さんは心配そうに時計とわたしを交互に気にしながらパンに手を伸ばした。


お父さんが死んじゃってからはわたしとお母さんの2人暮らし。

だからか、お母さんはとても心配症で、いつもわたしのことを気にかける。

それはとても嬉しいんだけど、わたしも高校生になったし、バイトだってできるし、お母さんが心配しなくても大丈夫なように生きていきたいなって思ってる。



「お父さん、いってきます」

そして出かける前は必ず仏壇に手を合わせる。

小学生だったわたしは記憶がいまいち曖昧で、でも優しかったのは覚えている。

お母さんともとても仲良しで、ラブラブな夫婦で羨ましいな、わたしもお父さんみたいな人と結婚したいなって小学生ながらに思っていた。