10日間の奇跡



「じゃーん、これ買ったの!やろう!」

少しでも雰囲気を明るくするためにわざとらしくして取り出したのは花火。


「いいね、やるか」

もし優をみつけだしたら絶対にここにこようと思ってこっそり買っておいたもの。

少し早いけど、どうしても優とやりたかった。




「夏祭り行きたかったな」

「・・・うん」

本当は夏祭りに行く約束をしていたんだけど、突然サッカーの試合が入っちゃっていけなくなっちゃったんだよね。

結構落ち込んだけど、また来年もあるしいっかなんて思ってた。

「ごめんな」

「・・・もう謝らないで」

優が謝るたびに現実をつきつけられているようで悲しくなる。

もう本当にあと少しで優はいなくなってしまうんだと。