たしかに優は生きていて、一緒に過ごした楽しい時間はあったはずなのに。

それがすべてなかったことになっていたことが一番悲しい。


はじめて優に会ってドキドキした日も、
片思いをして先輩を遠くから眺めていた日も、
一緒に暮らすことになったあの日も、
付き合えた日も、
はじめてデートした日も、
はじめて手を繋いだ日も、
はじめてキスをした日も、

わたしの中から昨日まで消えていた。


悔しい。苦しい。


そして今出会った茅野先輩は優と同じはずなのに、ずっと遠くに感じる存在で。

抱えてることを全部知りたいのに、優のこと忘れたりしないのに。