ガサッとビニールの擦れる音とともに、私の元に集まるウサギたち。


…私も動物苦手なのにー(泣)!!


肝心な佐野くんは「お、アイツ美味そうだな…」なんてぶつぶつ言ってる。



私は泣きそうになりながらも人参を取り出して、ウサギの口元へ運んだ。


小屋中のウサギが私の足元に集まってきて―…


これじゃ、ウサギにたかられてるみたいだよー……



「…じゅ…順番だよ…」


ウサギ相手に言葉が通じないのはわかってるのに、話しかけてしまう私。


涙目になりながらも助けを求めるように横目で佐野くんを見た。


佐野くんは飼育小屋の前のコンクリートに座り込んで、私を無表情で見てる。



―……助けてよー!!



ウサギから逃れようと、1歩後退りした時――…




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