―…リズムよく聞こえる竹箒の動く音。
「…おい」
ガサッとビニールの擦れる音がして、私の背中に何かが投げつけられた。
振り返ると、足元に落ちているのはビニールに包まれた人参などの野菜。
「それ、餌だからウサギ共に喰わせといて。」
そう言うと、佐野くんは飼育小屋の鍵に手をかけて外に出た。
「…え、あ…あの…?」
「ん?オレ、基本人間以外の動物嫌いだからさ。外から見といてあげるよ。」
「…一緒に餌あげようよ。」
「嫌だ。頑張れ。」
――…自分勝手ー!!
わがままだなぁ……
自分の中で怒りを抑制しながらもビニールの袋から餌を取り出した。
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