差し出したままの手。
オレは笑顔を絶やさずに微笑み続けていた。
すると、目の前の瑛未ちゃんは―…
「いいよ。はいっ!」
何の疑いもない綺麗な笑顔で自分の手をオレに差し出した。
「…失礼しまーす。」
そう言って、オレはその手に自分の手を重ねる。
―…ざまーみろ、勇雅!
お前だけじゃなかったぞバーカ!
「……やっぱ似てる。」
ボソッと何か言った瑛未ちゃん。
「ん?オレ?」
「うん…そっくりだなって。」
「え。何に何に?」
瑛未ちゃんに少しだけ期待の眼差しを送る。
「あのね…私の家で飼ってる犬なんだけど…」
「へぇー犬飼ってんだ。何犬?」
「ブルドック!チョコっていうの♪」
………ぶるどっく…?
―…オレのどこが…ブルドックに似てるって!?
.

