君中毒-Another Stories-




「―…好きだよ。」


「…………へ?」


ガシャン…そんな音がして飼育小屋のドアが開いた。


ウサギを蹴散らしてこっちに向かってくるのは、真顔の佐野くん。


その手が私の背中にあたるフェンスにかけられた。



「……だから、好きだって。」



私の顔に影がかかる。


告白らしき声が遠くで聞こえる。


佐野くんの顔が目の前に…あって……







「―…じゃーね。」




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