「た…助けて?」
悔しいけど、今はこの人に助けを求めるしかない。
そう判断した私の頭は佐野くんに助けを求める言葉を投げかけていた。
…いくら何でも……この状況なら助けてくれるよ…ね?
ばちりと絡む私たちの視線。
投げ出された餌に、我先にと集まるウサギたち。
静かな空気―…
「…何で?嫌だよ?」
その沈黙を破ったのは、佐野くんの冷たい言葉。
冷たい言葉と冷たい視線が私を動けなくさせた。
「お前、プライドないの?オレのこと嫌いなんだから助けてもらうなんて嫌じゃねぇ?」
…むかつく…むかつく…!!
プチンと私の頭の中で何かが切れた音がした。
「―…私のこと、嫌いなのは佐野くんの方じゃん!!」
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