「どうせ君は幼なじみくんに泣かされたんだろ?」





「ち、違う……ナギサは何も悪くない……」





シラユキくんはまた溜息を着いた。




そして目を見開き、顔を近づけ、





「そういうところが嫌いなんだよ」
低く棘のある言い方で私はすっかり怯えてしまった。





「そ、それがシラユキくんの本性なの……?」
率直に思った言葉がそのまま零れた。



だって、違う。
私の知っているシラユキくんは教室の隅の席で流れる風を見つめているような静かで優しくて上品な人。




私の目の前のこの人は一体誰なの。