誰かに認められたくて、ずっと努力してきたはずなのに、何で両親に捨てられたんだろう。何で友達に裏切られたんだろう……。

「何で……こんな目に合わなきゃならないの?何で僕だけが……」

僕は、ゆっくりと輝一たちに全てを話した。

「……妖魔の言ってたことは、本当のことだったんだ……ずっと嘘付いてるんだと……ごめん」

輝一は、僕を抱き締める力を強くする。そして、僕を離した輝一は、僕を見つめた。

「今度、お前の町に遊びに行っても良い?」

輝一の問いかけに、僕は無言で頷く。

「……なら、自由に他の町に遊びに行ける装置を作らないと……」

アイビーは、何かを考え込んだ。

「……そうだ!次、向こうの世界でお前に会えたら……絵を見せてよ!」

輝一の言葉に、僕は「うん!」と微笑む。

換気するために開けた窓から入ってきた強くて冷たい風が、僕の目から零れ落ちた涙を飛ばして、その涙は冬の空気に溶けるように窓の外へと消えていった。