「……もしかして、ここって……」

「はい。僕の暮らす世界です」

輝一の言葉に、アイビーは笑ってそう返す。

「……ここなら、十分に戦えそうだ……」

そう言って、僕は刀を抜いた。そして、刀を構えると妖魔に向かって走り出した。



妖魔を逃がしてしまった僕らは、後を追うことが出来なくなって館に戻ってきた。

「……どうやって、アイビーと輝一と大智は僕の暮らす町に……?」

僕が問いかけると、輝一は「アイビーに連れてきてもらった」と微笑む。

「……まず、輝一たちの暮らす町までいつもあなた方が使っている魔法で移動し、そこから魔法で冬都の暮らす町まで瞬間移動しました」

アイビーは、そう説明をして微笑んだ。

「そうだったんだ……僕は、そろそろ帰るよ。僕、一人暮らししてるから……」

そう言って歩き出そうとすると、輝一に「冬都」と声をかけられて、僕は立ち止まる。

「何を抱え込んでいるのか、俺らは分からない……でも、話はいつでも聞く。俺らを少しは頼れよ……仲間なんだから」

「……僕の絵を……存在さえも認めてもらえかった僕が話したって、迷惑なだけでしょ!?」

突然の輝一の言葉に、どう反応したら良いか分からなくなって、叫んでしまった。

「……」