俺は、黙ったまま彼女の言葉に耳を傾けていた。



「私達が一緒にいれるようにって…ずっと…ずっとね。」



淀む事なく言う言葉に、こちらの方が恥ずかしくなってしまう気がする。



「あんなちょっとで酔ったのか?」



俺は誤魔化す様に言った。



「そうかもね。」



彼女は、小さく笑いながら、両手の指を組んだ。


俺はその手の上に自分の左手を重ねる。



「じゃあ、約束しようか…叶えるって…」



彼女の様に淀みなく言うつもりが、変に間を開けてしまい、恥ずかしさが込み上げて来る。



「何を?」



少し意地悪な表情で彼女が聞き返して来た。


俺は、照れを隠す様に彼女の左手の薬指にはまった指輪を撫でた。



「その夢も叶えるって…」



その言葉には彼女も照れたらしく、



「酔ってるねぇ…」



と、大袈裟に笑ってみせた。


付き合いが長くなると、こんな些細な告白にも照れを感じてしまうのがもどかしくも楽しい。


俺達は一通り笑うと、当たり前の様に口付けを交わした。



テーブルの上で、まだ半分以上残った青い液体が微かに揺れた。