思わず咳き込む俺を見て、彼女はクスクスと笑った。
「これは…酷いな…」
俺は、幼い頃に買った30円かそこらのチューブに入った駄菓子の飲み物を思い出していた。
「あれと同じ味がする。」
「あぁ、わかる。」
彼女は大きく頷いた。
「あれね。」
俺があれと言っただけで、通じる所が、また嬉しい。
彼女もそれは同じようで、満足そうに笑うと、手にした瓶に蓋をし、そっとテーブルに戻した。
「もう飲まないのか?」
「ん。多分これは…観賞用だと思います。」
「なんだよそれ!」
俺が吹き出すのと同時に、彼女も笑い出す。
そんな満たされたやりとりの中、彼女がそっと体を後ろに倒し俺に全身を委ねて来た。
心地ねよい重さと体温が伝わってくる。
元々他人同士なのに、触れ合うと、いつか無くした自分の半身が戻ったかの様に安心を覚えるのは何故だろう。
「あのね…あなたは笑うかも知れないけど。」
彼女が不意に呟く。
「私には、夢がまだあるよ。」
「これは…酷いな…」
俺は、幼い頃に買った30円かそこらのチューブに入った駄菓子の飲み物を思い出していた。
「あれと同じ味がする。」
「あぁ、わかる。」
彼女は大きく頷いた。
「あれね。」
俺があれと言っただけで、通じる所が、また嬉しい。
彼女もそれは同じようで、満足そうに笑うと、手にした瓶に蓋をし、そっとテーブルに戻した。
「もう飲まないのか?」
「ん。多分これは…観賞用だと思います。」
「なんだよそれ!」
俺が吹き出すのと同時に、彼女も笑い出す。
そんな満たされたやりとりの中、彼女がそっと体を後ろに倒し俺に全身を委ねて来た。
心地ねよい重さと体温が伝わってくる。
元々他人同士なのに、触れ合うと、いつか無くした自分の半身が戻ったかの様に安心を覚えるのは何故だろう。
「あのね…あなたは笑うかも知れないけど。」
彼女が不意に呟く。
「私には、夢がまだあるよ。」


