「……これが、俺の過去」 ふぅ、と息を吐いて椅子の背もたれにもたれかかった嶺緒に、私は目を逸らさないでいた。 「俺はな、多分……つか一生、好きとか愛おしいっていう気持ちがわからないまま死んでくんだと思ってたんだよ」 「うん……」 「でもな……俺、宵が愛おしいって思ったんだよ。俺がお前を守ってやりたいって」 優しい表情の嶺緒と目が合う。 「教えてくれて、ありがとな」 頷くと、彼は私を引き寄せ、抱きしめた。 ちょっと苦しかったけど、言わないでいてあげた。