『俺は、嶺緒を置いていったりしない』 もう、寂しくないよ。 『流羽、やっと、叶ったよ』 電話の向こうで、流羽の啜り泣く声が聞こえた。 『お前が俺を、置いてってんじゃねぇか』 『違ぇよ。やっと隣に立っただけだ』 『ははっ、……ありがと、な』 それはこっちの台詞だよ。 素直じゃない俺は、その言葉がどうしても言えなかった。