「ありがとね……」 入学手続きも、学費も払ってくれているのは嶺緒だ。 何から何までお世話になっていて、少し申し訳なく思う。 「はは、いーっての。ガキは甘えとけ」 本当に嶺緒と家族ならいいと、本気で思ってしまう時がある。 それならきっと、幸せで。 私が求めて止まない、求めてはいけない幸せだと思う。 最近平和ボケしているせいか、自分の性格が丸くなったような、変わったような気さえする。 前はこんなに笑わなかった。 前はこんなに喋らなかった。 前はこんなに、幸せに縋っていなかった。