いつもの丁寧で柔らかな雰囲気の美苑とは違う。
鋭い瞳と、こっちまで伝わってくる威圧感に、嫌でも東なんだと思い知らされた。
「殺されてぇの?」
なんで、美苑がいるんだろうか。なんて一瞬思ったけれど、私はオヒメサマなんだと直ぐに理解する。
守らなければならないほど弱い存在なんだと、思われていることにこんな状況にも関わらず自分勝手だけれど酷く腹が立った。
———意味が、わからない。
私を守らなければならない、その理由が。
美苑がいつにないくらい怒っている訳が。
柄にもなく、嬉しいと思ってしまった私が。
それは、喧嘩とは言えなかった。
始まった、殆ど一方的な"暴力"。それを私はぼんやりと見ていた。
流石としか言いようのない華麗な蹴り、重い拳は確実に急所を着いて正確に相手を沈ませる。
何となく、美苑は東では1番弱いと思っていた。弱いけど、容赦は無さそうだなと勝手にイメージを持っていた。


