今宵、キミが砕け散る







 「あー。まぁ、私基本聞き役に徹底してたし」





 懐かしそうに目を細める宵ちゃんは、どこか遠くを見ていた。




 その表情が幸せそうで、寂しそうで、愛おしそうで。そんな宵ちゃんを、初めてみた。






 「だから、優香と都司の話、聞かせてよ」





 ニヤニヤしながら、私をからかっているようだけど、私はそれが嬉しかった。



 だってそれって、私たちのことを知ろうとしてくれているってことでしょ?






 「っ、うん!」




 「じゃあ私の部屋行こうか。……ここからは男共は入っちゃ駄目だし、聞いちゃいけないからね?嶺緒……お父さんは、まぁ。都司たちとお話ししてて」




 「え……、」






 話しについて来れていない様子の恭ちゃんたちと嶺緒さんを残して、私たちはリビングを出て宵ちゃんの部屋に向かった。