帰り道、駅で友達と別れ、自宅までの道を歩いていると、転校してきた男の子がヤンキーに絡まれているのを見つける。


「何してんだか……」


もちろん、助けたりはしない。
仮を作りたくないし、そもそも関わりたくないから。


そう思いながら、通りすぎようとすると後ろで「ゴキッ…」と、変な音が聞こえた。


「いでででででっ!」


「分かりましたか?今後絡んでくるようでしたら、もっと痛い思い、してもらいますからね」


腕をつかみ、昨日とは違う低い声で冷たく言う男の子と、相当痛いのだろう、顔をゆがめ、叫んでいるヤンキーと怯えた周りのヤンキーがいた。手を離すと慌てながらヤンキーは散っていった。


我に戻った頃にはもう遅かった――…

「やっべ、変なとこ見られちゃったなぁ…」


と、男の子が頭を抑えながら私に向かって言う。


「驚いたよね、ごめんね、家の近くで」


「べ、別に…関係ないし……」


「そう?ならいいけど、」


と、言いつつも不思議な顔をしていて

「な、何よ…」


「いや、学校の時とは随分違うんだなぁ、と思って‪w」


「は?だからなんなの?あんたには関係ないでしょ?」


そんな事を聞かれ、内心慌てつつもそう答えると、足早にその場を立ち去り、マンションの中に入る。

なんなの…ほんとに。
あいつに知られたら終わるかも……