ウィリアムの整った横顔を見つめていたら、視線に気付いたのかパチンと目が合ってしまった。あたしは慌てて顔を本に向けるけど、ウィリアムはギターを弾くのをやめてあたしに近づいてくる。

「な、何よ!」

あたしがドキドキしながらそう言うと、ウィリアムに「ちょっといい?」と言われて両手で顔を包まれる。ウィリアムの手は男らしくて胸の高鳴りはさらに増した。そのまま強制的にウィリアムを見つめさせられる。

「な、何?」

もしかしてこのままキスされる?なんて甘い期待をしてしまったけど、ウィリアムはあたしの目の下を優しく触っただけ。それでもふわりとした感触があたしを包む。

「やっぱり……。目の下に隈ができてる。ちゃんと寝てるの?」

「べ、別にあんたに心配されることじゃないわよ!バカ!」

ウィリアムの胸板を押し、あたしはそう言って本を見つめた。ああ、やっちゃった。ウィリアムは心配してくれたのに……。