────家具の引越しも終わり、ようやく住む事になった日、俺はどうしても近付きたくて…

玄関を間違えたフリをした。

あ、誤解の無いようにしとくから。

たまたま、百合子が玄関から出るのを見た日があって、調べたり、着けたりした訳ではない。

そしたら、ストーカーじゃん。(俺の行動も怪しいとかのツッコミは無し…)

百合子は快く、部屋の中に入れてくれた。



「声かけられるなんて、やっぱり諒は凄いなっ!!これからも仲良くしようなっ」

「どうせまた、女の子目当てなんだろ…」

「当たり前じゃんっ」

「…………」


相川は頭の中が、女の子だらけの万年春男。

女の子経験値、同じく”0”らしい。



「あ、またブロッコリー残してるっ!俺、食べてやろうか?」

「はい、あ〜ん、やるよ」



ブロッコリーだけを残して、後は綺麗に完食。

相川の箸を使い、奴の口の中に入れた。

ブロッコリーは残り一つ。



「お前も食えよ、俺が食わせてやろうか?」



毎日のように入れてあるブロッコリー、嫌がらせ?とも思ったけど…本当は俺に食べて欲しいのかな?

食べたら、”付き合う約束”だしなぁ…。