んー?

誰かに似てるような気がする。

誰だろう……?



「樹里だよ、百合子さんっ!諒の妹です」



樹里……?

そうか、こないだ話してくれた妹ちゃんかな?

誰かに似ていると思ったのも、そのせいか。



……けれども、何で私の顔を知ってるの?

名前は話せば分かると思うけど、さすがに顔までは分からないよね。



「とりあえず、起きようよ?」



樹里ちゃんが私の手を取って起こしてくれた。

近くで見るとより一層似てるし、優しくて可愛い子だなぁ。

私はグジャグジャのスカートのまま、会計を済ませてカフェを出た。

樹里ちゃんも着いて来て、このままじゃいられないから…と洋服を見に行ったり…。



―――なんだけど、余計な奴らが着いて来た。



「こっちが可愛いいよっ」

「百合子さんはこっちも似合うかもっ!」



りっちゃんと樹里ちゃんが、はしゃいでいる。

樹里ちゃんは今日は学校自体がお休みで、ブラブラしていたみたい。

……だから、樹里ちゃんも連れて来ちゃった。

そして、コイツ、憎たらしい切れ長眼鏡も着いて来て服を選んで試着してから、そのまま購入していた。



「キャァッ〜!カッコイイね、颯真(そうま)」



りっちゃん、新調した服に身を包む切れ長眼鏡に更にはしゃぐ。

恋する乙女モード全開です。



「どれにするんだ?」

「何が?」

「お前の服」

「何だっていいじゃない、別に〜」


服を選んでいた私に切れ長眼鏡がいきなり話をかけてきた。



「決まったなら、貸せ。律子とそこの子も、何か欲しいならまとめて払ってやる」



正直、私の服なんて何でも良いでしょ?と思ってイライラしていたが発された言葉に唖然とした。