余命宣告を過ぎた僕。

皆へ。
これを読んでる時は僕は冷たくなっていると思う。
今まで言えなかった事書くね。
僕が病気ってわかった頃は小学一年生だったよね。その時皆は変わらず接してくれて、嬉しかった。でも、だんだん皆がくれてた好きは嫌いになって家でも学校でもひとりぼっちだった。
学校ではいじめられてて、叩かれることもあった。何度も言おうとした。でも言えなかった。
皆が僕の話をちゃんと聞いてくれなかったから。別に責めるわけじゃない。ただ僕はちゃんと聞いて欲しかった。本当にあの時辛かった。早く死にたいとまで思った。僕頑張ったんだよ。皆にまた好きになって貰えるために治らないってわかってたのにできる限りの治療して、沢山辛かった。
でも、そんなの悪足掻きっておもった。皆僕に早く死んで欲しいんだもん。治療を拒むようになった。治療が嫌で嫌で、反抗して工藤先生を沢山困らせた。高カロリーのものを食べたり、沢山走り回ったり禁止されてる事全てやった。
それでも早く死ねなかった。誕生日が来る度になんで生きてるんだろうってごめんなさいまで思った。でもおめでとうぐらいは言って欲しかった。中学三年生の時に意識不明になって起きたら、余命宣告された。後、1年だって。僕少しホッとしてたんだ。あぁ、やっと死ねるって。
でも、病院でずっと入院生活を続けてると亡くなっていく人たちを見て怖くなった。死にたくないって思った。そんな時にがんの愛斗くんと会ったんだ。その時にはもう髪の毛も生えてなくて辛かったはずなのに元気で羨ましかった。
僕はそんなに強く生きれない臆病者だから。
愛斗くんは家族にも友達にも恵まれてて一時期妬ましくなってた時もあった
でも、愛斗くんも沢山不安だったんだ。沢山泣いてたんだ。僕と同じなんだって共感できた。
僕思ってなかった。僕より先に愛斗くんが死んじゃうなんて思ってなかった。でも茜くんと龍くんが慰めてくれた。嬉しかった。
楽しくはなかったけど、最後に学校に行けた。
学校に行った次の日検査の日だった。病気がすごい進行してた。少し治ってるかななんて淡い期待なんかもっちゃった。治ったらまた皆に好きって言って貰えるかなって。
僕がね家から僕が写ってないアルバム持ってきたのは僕達はもう家族じゃないんだって思ってるから。僕は家族じゃないのに僕が写ってたら変でしょ。ただの証明だった。この人達と家族だったんだって。
ごめんなさい。こんな我儘で、昔も今も。
悲しくさせてごめんなさい。辛くさせてごめんなさい。でも
家族でいてくれて、ありがとうございました。茜くん龍くんもこんな僕と一緒にいてくれてありがとうございました。
工藤先生も沢山迷惑かけました。ありがとうございました。
とっても、短かった。でも僕は長かった。息苦しくて辛かった。でも、皆がいてくれなかったら、僕はここにはいませんでした。
数えきれない程の大好きを言いたかった。
今までお世話になりました。ありがとうございました。
棗より