余命宣告を過ぎた僕。

海唯side



棗が、死んだ...?



嘘だろ?




海唯「おい、、起きろよ...」



昔ねぼすけだった棗をいつも起こしてたのは俺だ。だから今回も




海唯「棗起きろ!」




必死に体を揺らす





諦めろと言うかのように電子音が鳴き散らす






工藤先生まで泣いていて誰も俺を止めなかった




海唯「嘘だろッ?!」





ほんとに俺って都合がいい。




あんなに棗に死ねって言ったのにいざとなったらこうだ





お母さん「海唯ッ...やめなさい。」






今の俺には後悔しか残ってない




ごめん棗...ごめん...




死ねなんてごめん...




嫌いなんか言ってごめん......





俺の記憶に棗が笑った顔なんて無かった




笑えなくさせていたのは俺らだ...ごめん...





棗の手に握られている写真を見る




その写真をお母さんが取る




お母さん「棗が持ってたんだねッ...」





なんの話だろう





お母さん「写真の整理してた時にこのアルバムだけ見つからなかったの、家中探したんだけど無くて諦めてたら棗が持ってたッ...」




海唯「なんで、このアルバム...」





お母さん「このアルバム唯一棗が写ってないのッ...」





なんで、普通なら自分も写ってるやつにするはず...






ぞろぞろと人が入ってくる




全員看護師さんだ





棗をカートに乗せて何処かに行く





海唯「棗をッ...どこに連れてくッ...」





工藤先生「霊安室だよッ」





そっか...霊安室...




工藤先生「棗くんの荷物の整理よろしくお願いです。」





お父さん「わかりました。」





お父さんが片付き始める






海唯「俺も手伝うッ...」






棗の荷物を持ってきた時に使ったカバンを使って荷物を詰めていく







その中に不可解なノートがあった






授業に使っていなさそうなノート





何となくページをめくるとそれは日記だった





8月12日
今日は僕の誕生日。今年もおめでとうなんか言われなかった。




日付は飛び飛びで毎日は書いてなかったみたい








ペラペラめくって最後のページ







家族へ