余命宣告を過ぎた僕。




うっすら目を覚ますと横に茜くんと龍くんがいた



棗「な、...ん、で......い、るの...」



思っていたより声が出なかった




酸素マスクがしてあってこれを取ってしまうときっと息がしずらいだろう



茜「この馬鹿野郎!」



突然の暴言にびっくりする



バカなのは仕方ないじゃん。学校にほとんど行ってないんだもん



茜「なんでッ...なんも言ってくんないんだよッ」



なんの話だろう...




茜「素直に、不明の病気って言えよッ!」




あぁ、その話か...




棗「ご、めん...ね。」




龍「友達なんだから言ってくれれば良かったじゃん。」




棗「とも、だち...?」




龍「そう、友達」




初めての友達。初めての...





ポロポロと涙が出てくる




人前で泣いたのは何年ぶりなんだろう。




でも今はそんな事どうでもいいぐらい嬉しい





棗「そ......か...と、もだち...」




茜「棗何したい?」





棗「かぞ、く、に......あい、...たい」




誰にも言ったことの無かった願いを今、死に際に初めて人に言った




茜「待ってろ!工藤先生に頼んできてやる!」





龍「騒がしい奴でごめんな」




棗「ううん...あ、かねくん、らし、い」




龍くんが今にでも泣き出しそうだった。




そんな顔させたい訳じゃなかった。だから1人で死のうとおもったんだよ。





棗「りゅ、くん...たな、から......アルバム...とってくれる...?」





龍「あぁ、これか?」





棗「そ、う。」





龍くんが渡してくれる





ゆっくりゆっくり起き上がる





1枚1枚写真をとって握りしめる





力なくまたベットに横になる




棗「龍くん......ありがとう......」





龍「うん...」






ガラガラッ!






茜「来たぞッ...」







茜くんと工藤先生の後にママとパパお兄ちゃんが入ってくる






棗「ママッ......パパッ...おに、ちゃッ...」






あれ...今会えたのに、眠くなってきた...






棗「工藤先生...あり、がとう...ございました......」









「だいすき......」





お兄ちゃん「棗...?おい!」






夢、叶ったや。