余命宣告を過ぎた僕。





明るくて綺麗な夕焼けみたい。



ポカポカ...




でも、この温もりはいつか手放すんだろうな



冷たくなる日まで離したくない。



棗「ん...」



龍「あ、起きた?」



棗「え?なんでここに居るの?」



龍「あれ?記憶ない感じ?」



棗「ん〜...わかんない。」



棗「それよりなんか身動き取れない」



龍「あぁ、茜まで寝ちゃったんだよ」



この温もりは茜くんのだったんだ。



棗「ありがとう...」



小さくぼそっと言う



龍「ん?なんか言った?」



棗「ううんなんでもない」



今だけは寂しくない。暖かい人が居る。



茜「あれ...棗起きてた...」



棗「うん。」



茜「ごめんな。」



棗「なんで謝るの?謝ることなんかひとつもないよ。」



茜「ううん。ある。1人にしてごめんな。」



棗「1人は慣れてるから、大丈夫だよ。」



龍「棗、嘘はいけないぞ」



棗「え?」



龍「嘘はダメ」



棗「嘘なんて、だって小さい頃から1人だったしもうッ...なれたよッ...」



龍「ならなんで泣いてるの?本当の事言って。」



棗「ヒクッ...まだッ...言えないッ...」



言ったら今までどうりにはいかない。



居るか分からない神様、お願いです。長生きさせてください。せめて、後、1年お願いします。