あいつの隣にいる方法

遠くに聞こえる人の声。

そこから完全に隔絶され別世界に二人だけにされたようだった。

最初の花火が打ちあがった。

2人で黙ったまま花火を見つめる。

遠くで音楽が流れているのが聞こえてくる。

手をつないだままだったことを思い出し急に恥ずかしくなる。

そっと私が手の力を緩めると、あいつも、ゴメンといって手を離した。

誰もいない2人だけの空間。

もし、今日、想いを伝えるとしたらいいタイミングなのかな。

まだ花火は始まったばかりだけれど。

「「あのさ」」

かぶってしまった。

私もあいつを見たけど、あいつも私の方を見ていて、まるで見つめ合っているようになる。

恥ずかしくて少し視線を下げる。

「真斗からどうぞ。」

「いや、いいよ。くだらないことだし。」

颯太の話と違うじゃん。

でもあいつはもう話す気はないらしい。

私が話さなければならない。

それも自分の胸の内に秘めていた想いを。