あいつの隣にいる方法

文化祭も今週末というところまで差し迫っている。

「センセーから差し入れだって!!」

「ヤッター!!」

「このアイス、安いやつじゃん。」

「文句言うなら俺にくれ。」

いろんな声が上がり、アイスの周りには人だかりができている。

「みっちゃん!!」

離れたところで作業していたみっちゃんをみつけ、一緒に休憩することにした。

「ハナ~、進んでる?」

「うん。あともう少しだよね。」

「そうだね。うわ、アイス溶ける。」

アイスが暑さでダラダラと溶け始めている。

急いでアイスを口に入れる。

「山田君と一緒に文化祭まわる約束したんでしょ。」

「そうだよ。ハナはどうするの?」

「中学の同級生が来てくれるって。」

「そっか。佐々木君は?」

「……一緒。」

返事が遅れる私を見てニヤニヤし始めるみっちゃん。

そこには触れないでほしかったな。恥ずかしい。