「颯太は私が連れてくる。」
「連れてくるって……。きっと有紗の言うことは聞くだろうけど。」
3月に会ったときに有紗から颯太と付き合ったと報告を受けていた。
「なにそれ!!」
「いや、仲が良いってことで。」
有紗に頼まれて嫌であっても簡単に折れてしまう颯太の姿が目に浮かび、思わず笑ってしまう。
「笑いすぎなんだけど。」
「ゴメン、ゴメン。」
「あ、颯太、大丈夫だって。」
スマホを触っていた有紗が顔を上げる。
既に颯太のことを誘っていたらしい。
「だろうね。あと真斗か。後でシフトとか見とくね。」
「真斗だってハナのお願いは聞いてくれるでしょ。」
「そんなことはないと思うけど。」
そうかな~って言ってこっちを見て笑っていた。

