それから数日後、蘭は世界法医学研究所に花鈴を呼び出してもらった。蘭、碧子、ゼルダ、圭介がいる応接室に案内し、花鈴をソファに座らせ、蘭が口を開く。

「千鶴さんがどこで急性硬膜下血腫を起こしたのか、千鶴さんが何を花鈴さんに伝えたかったのか、その全てがわかりました」

蘭がそう言うと、花鈴は「本当ですか!?」と目を見開く。蘭が応接室にいる碧子の方を見ると、碧子は花屋の写真を見せて口を開く。

「あの日の放課後、学校が終わってから千鶴さんはこの花屋さんに寄りました。この日は千鶴さんのお母様のお誕生日でもあったためです。千鶴さんはここでコスモスを買ったと私が店員さんから聞きましたが、千鶴さんは頭を押さえ、苦しそうにしていたそうです」

「このことから、神楽さんたちは千鶴さんは花屋に寄る時にはすでに頭をどこかにぶつけたのだと推測しました。そのため、千鶴さんが立ち寄りそうなところを調べて話を聞いて回ったんです」

圭介がそう言った後、ゼルダが花屋から徒歩で五分ほどの距離にある公園の写真を見せた。多くの遊具があり、公園の中心には巨大なブナの木が生えている。