『賢人君、本当に…いろいろありがとう。仕事も出来なくて、病院であちこち連れ回されて…疲れたでしょ。今日はもう帰ってね。1度、お店に戻る?』
『…はい、わかりました、戻ります…店長も心配してたんで報告しておきますね。それじゃあ…』
ゆっくりとドアのところまで行って、振り返った賢人君は、
『愛莉さん。僕は迷惑なんて思ってないですよ。愛莉さんが怪我したのは、紛れもなく僕のせいなんですから。でも…もし、僕のせいじゃなかったとしても、愛莉さんがどこかで怪我したって聞いたら…生きた心地しないです、死ぬほど心配します。 とにかく、今日はゆっくり休んで下さいね』
そう言って、出ていった。
優しいね、本当に…
でも、賢人君の後ろ姿が、少しだけ切なく見えるのはなぜなんだろう?
誰もいなくなった1人きりの病室は、妙に寂しい。
私は、それから夜まで、何をするでもなく退屈に過ごした。
ふと窓の外に目をやると、綺麗な月が私を見ていた。
『夜の月かぁ…』
『…はい、わかりました、戻ります…店長も心配してたんで報告しておきますね。それじゃあ…』
ゆっくりとドアのところまで行って、振り返った賢人君は、
『愛莉さん。僕は迷惑なんて思ってないですよ。愛莉さんが怪我したのは、紛れもなく僕のせいなんですから。でも…もし、僕のせいじゃなかったとしても、愛莉さんがどこかで怪我したって聞いたら…生きた心地しないです、死ぬほど心配します。 とにかく、今日はゆっくり休んで下さいね』
そう言って、出ていった。
優しいね、本当に…
でも、賢人君の後ろ姿が、少しだけ切なく見えるのはなぜなんだろう?
誰もいなくなった1人きりの病室は、妙に寂しい。
私は、それから夜まで、何をするでもなく退屈に過ごした。
ふと窓の外に目をやると、綺麗な月が私を見ていた。
『夜の月かぁ…』



