その時、いきなりドアが開いた。


『瑞!』


『大丈夫なのか?さっき看護師から聞いて。診察中ですぐに来れなくて悪かった』


『ううん、ごめんね、心配かけて。まだ仕事中でしょ?私なら大丈夫だから、早く戻って』


『愛莉…』


ものすごく心配してくれてる瑞の顔は、何となく、子どもの時と同じ雰囲気だった。


考えたら、いつだって瑞は…私のこと心配してくれてた。


あの頃は、あんまり思わなかったけど、今は…


それがどれだけ有り難いことなのか、すごくわかるよ。


『すみません、菅原先生。僕の不注意でこんなことに…』


『違う違う!だから賢人君は何も悪くないんだって。それに、どこも異常ないから。本当に心配しないで。今日1晩寝たら、明日は退院出来るんだし』


『わかった…とにかくゆっくり休んで。山下君だったね。愛莉のこと、いろいろありがとう。後は病院に任せて、君も仕事に戻って』


それだけ言って、瑞は部屋を出た。