いろいろあって、念の為、今日は入院することになってしまった。


仕方なく、坂井先生の勧めで個室に入った。


『賢人君…今日は本当に迷惑かけてごめんね。お客様にも申し訳ないことしちゃった』


『愛莉さんは何も悪くないです。僕の腕が当たって倒れたんです。僕が…愛莉さんを怪我させてしまった。謝って許してもらえることじゃないです』


賢人君は、可哀想になるくらいとても落ち込んでいる様子だった。


『何言ってるの?私が指示した花を取ろうとしただけじゃない。腕が当たったのはわざとじゃないんだし。賢人君が謝ることは何もないよ。本当に…私は大丈夫。手も数針縫うだけで済んだし、どこの骨も折れてなかったんだから。こんな大げさにしちゃって、恥ずかしいくらいだよ』


まだあちこち痛みはあったけど、賢人君に心配かけたくなくて、笑顔でそう言った。


『愛莉さんは…優し過ぎます。いつもそんな風に優しいから…僕は…』


『愛莉!!』