『あなた…瑞先生のこと、どう思ってるの?』


単刀直入に聞いた。


『どう…って…瑞は私の幼なじみで…』


『そんなことは百も承知よ。幼なじみのくせに、瑞先生を誘惑するなんて、あなた、どういうつもり?』


『え?小川先生、それは…』


『言い訳するつもり?』


根性悪い女。


『あの…いったい急にどうしたんですか?』


電話の向こうで焦ってる。


『瑞先生はね、あなたと違ってとても優秀なの。うちの病院で、これから活躍していく超一流の人間よ。そんな人が、もし、何かの間違いで、あなたみたいな下級の人と付き合うことにでもなったら…瑞先生の人気はガタ落ち。そのせいで、小川総合病院まで評判が悪くなるわ』


『…』


黙ってる…


あまりにも正論を語られて、落ち込んだ?


私を怒らせたバツよ。


いい気味。


『すみません。今日、とても大切なお話があると言われたので、携帯番号教えましたけど、そんなお話でしたら…もう切りますね』


『逃げるの?』