再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~

坂井先生なら、どうして私が来ないのか、わかってるはず…


でも、賢人君にも言えないし…


『僕…鈴木さんと一緒に仕事しながら思いました。もちろん鈴木さんは優しい先輩です。だけど…やっぱり、僕は…誰かじゃなく愛莉さんと仕事がしたいんだって』


短めのベンチの端と端。


この距離感での賢人君の視線に、ちょっとドキドキしてしまう。


『す、鈴木さん、ものすごくセンスあるでしょ?あの人と一緒にいたら、絶対に私といるより勉強になるよ。花のことはもちろんだけど、本当に博学だし』


そう言うと、賢人君はまた首を横に振った。


『僕は…少しでも長く、愛莉さんと一緒にいたいんです。ただ純粋に一緒にいたいって思うんです。もちろん、仕事とプライベートを混同しちゃいけないって、わかってるんですけど、でも…』


賢人君の言葉に、思わず紅茶を持つ手が固まった。