再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~

その瞬間、先生の顔が少し曇った気がした。


『ずっと…彼と一緒だったんだね。幼なじみって聞いて…なんだか複雑な気持ちになったよ』


え?


坂井先生の顔が強ばる。


『先生…?』


『僕は、彼みたいに優秀じゃなかったからね。毎日毎日、それこそ彼女も作らず、ひたすら勉強に打ち込んだ。おかげで、人を好きになる方法を忘れてしまってね。付き合っても、結局、相手を好きになれずに別れる…この繰り返しだった』


私と…少し似てる?


『でもね、ようやく本気で好きだと思える人に出会ったんだ』


『そ、そうなんですか…』


『ああ』


坂井先生、どうしてそんな大事な話をいきなり私に?


今まで、挨拶とか、ちょっとした会話しかしたことなかったのに…


『その人はね…この病院に、時々来ては花を飾ってくれてるんだ。いつも可愛い笑顔で僕に笑いかけてくれて…その笑顔が、狂おしい程に素敵でね』


え…


ちょっと待って…


それって…