春の暖かい風が、部屋の中に広がっていた。
ソファーに座り、息を吐く。
瞳を閉じると、今でも思い出す事がある。

『………ベルカ』

人差し指で、そっと唇に触れてみる。

会いたい 逢いたい
いますぐ いますぐ

記憶の中から消えない
優しく激しい
薔薇のような 呪縛


いますぐ
逢いたい