ラーバンとラクリアルの結婚は、割と順調に進んだ。
冬が終わり春が巡ってくると、ベルカの事も忘れられるだろう。
…甘かった。
こんなに深い想いだとは、思わなかった。
「ラーバン王?いらっしゃいますか?」
ベルカの声が聞こえると、嫌でも胸がはねる。
ラーバンは読んでいた本から顔を上げ、笑みを浮かべた。
「ベルカか。…どうした」
窓から、沈みかけた夕日が最後の光を散らす。
幻想的な程に、部屋の中は光で満ち溢れていた。
「最後の…挨拶に参りました」
息がつまる。
思わず出そうになる声を、必死に抑える。
ベルカの静かな微笑みさえも、見たくなかった。
「ご結婚、おめでとうございます。…そして、今まで良くしてくださりありがとうございました」
「…ベルカ?」
情けない声が、口からもれる。
信じたく、なかった。
「ラクリアル様に、悪いと思ったんです。だから…勝手ながら、私はもうラーバン王の前に姿を現す事は、できません」
今までの思い出が、頭の中を流れた。
もうどうやっても、ベルカと結ばれる事はないというのに。
…何故、会う事さえも禁じられる?
どうしても、何をしても、願いは届かない。
ラーバンは、静かに立ち上がった。
冬が終わり春が巡ってくると、ベルカの事も忘れられるだろう。
…甘かった。
こんなに深い想いだとは、思わなかった。
「ラーバン王?いらっしゃいますか?」
ベルカの声が聞こえると、嫌でも胸がはねる。
ラーバンは読んでいた本から顔を上げ、笑みを浮かべた。
「ベルカか。…どうした」
窓から、沈みかけた夕日が最後の光を散らす。
幻想的な程に、部屋の中は光で満ち溢れていた。
「最後の…挨拶に参りました」
息がつまる。
思わず出そうになる声を、必死に抑える。
ベルカの静かな微笑みさえも、見たくなかった。
「ご結婚、おめでとうございます。…そして、今まで良くしてくださりありがとうございました」
「…ベルカ?」
情けない声が、口からもれる。
信じたく、なかった。
「ラクリアル様に、悪いと思ったんです。だから…勝手ながら、私はもうラーバン王の前に姿を現す事は、できません」
今までの思い出が、頭の中を流れた。
もうどうやっても、ベルカと結ばれる事はないというのに。
…何故、会う事さえも禁じられる?
どうしても、何をしても、願いは届かない。
ラーバンは、静かに立ち上がった。


